【珍渦虫とは】繁殖方法や食べ物が謎の生物!※画像あり

こんにちは。NALです！

今回は珍渦虫（ちんうずむし）を取り上げます。

珍渦虫といえば、長らくその正体が不明とされてきた生物ですが、その謎が解明されたたという一報が伝えられたことで脚光を浴びていますね！

珍渦虫の正体について2016年2月5日に配信された『CNN』では次のように報じています。

この記事にもある通り、珍渦虫はそのあまりにも単純な構造から当初は複雑な生物が”退化”したものと考えられていたようです。

最終的には単純な生物との結論に至りましたが、それでもこの生物については”単純”の一言では済まされないほど多くの謎が存在しているのです。

果たしてこの珍渦虫なる生物とは一体・・・

今回は生物学史上のブレイクスルーが期待される謎の生物、珍渦虫について調べてみました！

そもそも珍渦虫とは？

冒頭でもご紹介した通り、珍渦虫は単純な生物だということが判明しましたが、未だにその生態は明らかになっていません。

しかし、そもそも珍渦虫とは一体どんな生物なのでしょうか？

珍渦虫が最初に発見されたのは1949年のスウェーデン沖。
その存在が初めて確認された当初は、身体の構造が極めて単純であったことから「二枚貝に近い軟体生物だろう」と考えられてきました。

しかし、その後の調査によって両者の構造が全く異なることが判明。
これにより、『珍渦虫＝軟体生物』という学説は否定されました。

そい以来、この生物の生態を巡り、様々な学説が唱えられてきましたが、その謎を解明にするには至りませんでした。

この生物の解明を困難なものにしているのはその単純な構造にあります。

というのも、珍渦虫には通常では考えられない以下の特徴を有しているからです。

・脳がない

・生殖器がない

・中枢神経がない

・目がない

・骨がない

・肛門がない

・口はある

上記に列挙した特徴から、発見当初に軟体生物との誤解が広まったのです。

ないないづくしの珍渦虫ですが、このような状態でなぜ生命活動を維持できるのか不思議です。

しかし、調査の結果、珍渦虫には口とそれに続く腸があることが確認されています。

つまり、この生物も摂食活動をするということです。

ただ、珍渦虫が一体何を食べて生命活動を維持しているのかということは解明されていないようです。

さらに繁殖の方法も分かっておりません。
上記に挙げた通り、珍渦虫には繁殖に必要な生殖器がありません。

それにもかかわらず、この生物は確かに繁殖していることが確認されています。

繁殖の方法についても多くが謎に包まれていますが、これに関してある興味深い報告が挙がっています。
それが筑波大学で助教授を務める中野裕昭氏の研究報告です。

このことについて同大学のHPでは次のように述べられています。

中野氏の研究によれば、なんと珍渦虫は卵からも分裂でも増えることが解明されたというのです。

ただ、卵や分裂による増殖は確認されているものの、それから幼生に成長する過程については明らかになっていないようです。

しかし、この研究成果が珍渦虫の生態を解明をする上で大きな手がかりとなるに違いありません。

珍渦虫の幼生は食べ物を食べないことが判明

珍渦虫の成体は摂食活動をすることが確認されています。

しかし、その幼生期にはエサを食べないことが判明したのです。

この事実を明らかにしたのは、同じく筑波大学の中野氏でした。

同氏はスウェーデンで採取した珍渦虫の成体を研究所に持ち帰り、飼育していたところ、9個の幼生が得られたと言います。

その後も観察を続けると、この幼生はわずか5日間で成体と同じ構造を持つまでに至ったと報告しています。

ただし、幼生態について詳しく調べてみると、消化管などが存在していないことが判明したのです。
これはつまり、幼生態の珍渦虫が摂食活動をしないことを意味していました。

このことについて『つくばサイエンスニュース』は次のように伝えています。

成体の珍渦虫もそうですが、食べ物も食べずに生命活動を維持できる幼生態にも驚きです。

珍渦虫の生態は多くが謎に包まれていますが、その謎が解き明かされるのにはまだまだ時間がかかりそうです。