【吉本興業も関与】NHKが特集した『わらわし隊』とは?ミスワカナの歌詞『金色夜叉』はどんな意味?

こんにちは。NALです！

今回は『わらわし隊』を取り上げます。

わらわし隊とは1937年に勃発した日中戦争を機に結成された慰問団です。
その目的は戦地に”笑い“を届けること。
朝日新聞社と吉本興業が共同で企画し、死地で戦い続ける兵士たちを癒すべく当時の人気芸人たちが次々と現地へと派遣されました。

彼らの芸を見て多くの兵士たちが笑い、故郷を思い出しては涙したと聞きます。
戦地で疲弊した兵士たちを癒す目的で結成されたわらわし隊ですが、その貢献度は非常に大きかったと言えるでしょう。

しかし、死地において兵士の心の拠り所となったわらわし隊の詳細については多くが謎に包まれてきました。

今年は日本の終戦70周年に当たる節目の年。
戦争を経験したことのない世代が8割を占める現在、今一度戦争の悲惨さについて問い直すべきではないでしょうか？

第二次世界大戦への口火を切った太平洋戦争についてはこちらをご覧下さい。
⇒太平洋戦争を簡単に説明！日本人の死者は戦死ではなかった・・・

今回は死の最前線へ”笑い”を届けた集団、『わらわし隊』について調べてみました！

NHKでも取り上げられた『わらわし隊』とは？吉本興業も関与していた！

わらわし隊の存在が世間に広く知られるようになったのは2010年8月11日に放送されたNHKのドキュメンタリー番組『戦場の漫才師 〜わらわし隊の戦争〜』でした。

日本では毎年8月になると多くの戦争特番が放送されます。
その多くがどれも似たりよったりの構成の中でひときわ異彩を放っていたのがこの番組だったのです。

“漫才“というテーマを切り口にしいた戦争特番は後にも先にもこの番組しかありませんでした。
一見すると”笑い”と”戦争”は相反するように思えます。

しかし、今や”笑い”が人間の免疫力を高めたり、癌の進行を遅らせたりするなど医学的にもその有効性が確認されていることは周知の事実です。
笑うことでストレスを軽減したり、心の平静を保つことができるというのもよく耳にします。

そんな笑いが持つ底知れぬ力で戦地の兵士を癒そうと朝日新聞社が企画したことが全ての始まりでした。
朝日新聞社の企画に賛同した吉本興業は当時、人気を極めていた芸人たちを激戦地へと慰問させることを決定。

当時、派遣された主なメンバーには柳家金語楼さんや花菱アチャコさん、ミスワカナさん、横山エンタツさんなどがいらっしゃいました。
彼らの人気は凄まじいもので現代でいうと明石家さんまさんやダウンタウンに相当します。
さんまさんやダウンタウンといえば、お笑い界の大御所ですから彼らの人気ぶりは推して知るべしでしょう。

その中でもミスワカナさんは兵士たちから絶大な支持を受けていたそうです。
それはワカナさんが芸人の中で唯一の紅一点だったことが理由です。

漫才師でありながら、類まれな美貌を持つ彼女の元へは連日多くの兵士たちが押しかけたそうです。

ミスワカナさんについてはこちらをご覧下さい。
⇒ミスワカナのあまりにも壮絶な生涯！森光子さんとの意外な関係が明らかに

死と隣り合わせの状況下で彼らはどんな想いで漫才を披露していたのでしょうか？
また明日の命すら保証されていない兵士たちはどんな想いでつかの間の休息を楽しんでいたのでしょうか？

漫才に笑う者。
故郷を想い涙する者。

兵士の方々の心境はそれぞれですが、戦場という人間らしさの付け入る隙が微塵もない場面においてわらわし隊の漫才によって彼らに”人間らしさ“が宿っていたことは疑いようのない事実です。
それは漫才を見て満面の笑を浮かべる兵士たちの姿が写真に収められていることからも容易に想像できます。

命を賭けて無機質に戦うことを強いられた兵士たちがたとえ一時でも人間らしさを感じる瞬間があったのならば、わらわし隊の存在意義は十分あったのでは
ないでしょうか？

『わらわし隊』ミスワカナが披露した『金色夜叉』の歌詞とは？

わらわし隊で検索すると”歌詞“というワードで出てきます。
恐らくこれはわらわし隊のメンバーでもあったミスワカナさんのネタ『ワカナの支那土産』のことだと思われます。

当時、日本の流行歌でもあった北島三郎さんの『金色夜叉』の歌詞に”熱海の海岸散歩する 貫一お宮の二人連れ“という一節があります。
彼女のネタではこの金色夜叉の歌が頻繁に使われており、慰問先の中国でも披露されていました。

その際、中国語を交えて披露したため、原曲とは大きく異なる仕上がりになっています。
当時のレコードにもこの時の歌は収録されているので現在でもその歌声を聞くことができます。

問題の歌詞については詳細がはっきりとしませんでした。
しかし、調べみるとどうやら冒頭にある歌詞を単純に中国語に置き換えただけのようだということが判明しました。

まとめ

今回は戦場に”笑い”を届けた『わらわし隊』について調べてみました。

傷ついた兵士たちを笑いで癒す目的で結成されたわらわし隊ですが、彼らの存在は極めて大きかったことが分かりました。

彼らの漫才を見て癒された兵士たちの多くが帰らぬ人になったと聞きます。
血も涙もない非情の戦地において彼らが一時でも人間らしさを感じることができたのならば、それは戦争という残酷な現実において唯一の救いになったのではないでしょうか？

もちろん戦争など起きてはならないことは言うまでもありませんね。

しかし、彼らによって救われた兵士がいたことも事実。
一人でも多くの方にわらわし隊について知ってもらいたいと切に願います。