【R.I.P.とR.I.P】正しいスペルはどっち?意味や読み方、使い方を解説!

こんにちは。NALです！

今回は『R.I.P.』を取り上げます。

一見すると、この言葉は3つのアルファベットが無造作に並べられただけのように思えます。
しかし、これには死者を悼む想いが込められています。

ただし、この表現が使われるのは主に英語圏のみ。
そのため、英語圏以外に住む人間にとってはあまり馴染みのない言葉かもしれません。

ところが、2016年1月12日現在、この言葉が世界中を駆け巡る事態となっているのです。
それは日本とて例外ではありませんでした。

ことの発端はイギリス出身のミュージシャン、デヴィッド・ボウイ氏の訃報が伝えられたことでした。

彼の死について2016年1月11日に配信された『Music Voice』では次のように報じています。

デヴィッド・ボウイ氏といえば、雑誌『NME』が2000年に行った読者アンケートにおいて『20世紀で最も影響力のあるアーティスト』に選ばれれたほどの功労者です。

この他にも数々の音楽雑誌で取り上げられてきた彼の影響たるや、まさに20世紀を代表するにふさわしいと言えるでしょう。

ロック界の巨星がこの世を去ったことで世界に激震が走りました。
彼の訃報を受けて真っ先の反応したのは志を同じくした音楽業界の人間です。

彼と同じイギリス出身のロックバンド『ブラー』のギタリスト、Graham Coxon(グレアム・コクソン）もそのひとりです。

また、日本では『X JAPAN』のYoshikiさんや『GLAY』のHISASHIさん、『黒夢』の清春さんらが次々に哀悼のメッセージを発信しています。

多くの著名人が哀悼の意を示す中、そのメッセージにはある言葉が多く共通して使われていました。
その言葉こそ、『R.I.P.』だったのです。

果たして『R.I.P.』には一体どんな意味があるのでしょうか？

今回はデヴィッド・ボウイ氏の死に対し、数多くの著名人が哀悼の意を込めた言葉『R.I.P.』について調べてみました！

R.I.P.とは？意味や読み方を学ぶ

目下、世界中を席巻している『R.I.P.』という言葉ですが、一体どんな意味が込められているのでしょうか？

意味について触れる前にこの言葉の読み方からお話します。
既にご存知の方には蛇足となりますが、読み方は『アール・アイ・ピー』となります。

気を利かせて『リップ』と読んでいるネットユーザーもいましたが、読み方は表記の通り、そのままです。

さて、読み方が判明したところで次に気になるのはその意味です。

この『R.I.P.』はあるフレーズを略したものです。
正式にはラテン語で｢requiescat in pace｣と綴ります。

現代においてラテン語は一般的ではありませんから、この表記ではいまいち意味が分かりません。

しかし、このラテン語に影響を受けた英語の表記を見れば、おぼろげながらその意味が見えてきます。

｢Rest in Peace｣

Restは｢休む｣、Peaceは｢平和｣。
直訳すれば、｢平和の中で休め｣という意味になります。

しかし、これでは紋切り型すぎるのでより現実に即して解釈するならば、｢安らかに眠れ｣といったところでしょうか。
これに相当する日本語として｢ご冥福をお祈り致します｣という表現があります。

言葉こそ違えど、両者とも死者の鎮魂を願うものであることには変わりありません。

『R.I.P.』と『R.I.P』正しいスペルはどっち？

『R.I.P.』の意味と読み方が分かったところで次に問題になってくるのはスペルです。
というのも、ネット上には『R.I.P.』と『R.I.P』という2つのスペルが混在しているのです。

両者の違いはPの後のピリオドの有無です。
どちらかがタイプミスした可能性もありますが、スペルとしてはどちらが正しいのでしょうか？

調べてみたところ、この問題に関しては意見が別れており、明確な解答は存在しないようです。
しかし、一般的には前者の表記が正しいとされる傾向にあります。

それはピリオドの持つ役目にありました。
ピリオドには文章の終わりを示す”終止符”の役割と同時に”省略”を示す役割もあったのです。

省略を示すピリオドの一例には次のようなものがります。

Mr. ⇒ Mister

Mon. ⇒ Monday

これらの例からも分かる通り、｢ピリオドをつける｣＝｢省略語｣であることを示唆しているのです。
この考えを前提にすれば、後者の『R.I.P』というスペルが間違いであることが分かります。

PはPeaceの頭文字であり、その省略語でもあります。
したがって、省略語であるPの後ろにはピリオドが必要という結論に達するわけです。

しかし、現在では全てのピリオドを外した『RIP』と表記するネイティブも多くなっているとのこと。

厳密に解釈すれば、正しいスペルは『R.I.P.』となります。
ただし、以前と比べて技術や社会が発展したことで人間の価値観が多様化したため、過去には見られない表現も多く目にするようになりました。

今ではピリオドをつけなくとも意味は通るようです。
大切なのはスペルという表面上のものではなく、相手を想う気持ちにほかならないということなのでしょう。

使い方は？

死者を悼む意味で使われる『R.I.P.』の言葉は主に葬式などで使われます。
また、故人の墓石に彫られたり、ハロウィンといったイベントにも使用されます。

しかし、ネイティブの間ではこれ以外の使い方も存在していたのです。

その一例がこちらです。

R.I.P. to my iPhone.
⇒携帯が壊れちゃったよ。

I just dropped it in the toilet.
⇒トイレに落としちゃったからさ。

この例文では携帯電話という無生物に対して『R.I.P.』が使われています。
この一例から『R.I.P.』は命がないものに対しても使えることになります。

しかし、この表現はあくまでもスラング（＝俗語）です。
そのため、こうした用法は正式な場ではふさわしくないと肝に銘じておく必要があります。