【資生堂ショックとは】意味や問題点を簡単に!世間の反応は?

こんにちは。NALです！

今回は『資生堂ショック』を取り上げます。

資生堂ショックと聞くと同社の業績悪化による株価の大暴落を想像してしまう方もいるかもしれません。
しかし、この言葉は株価暴落による経済混乱を指すものではなく、同社が執り行っている『育児支援制度の抜本的改革』を指します。

ただ、”ショック”という名からも想像できるようにこれは決して朗報ではありません。

2015年11月9日現在、この『資生堂ショック』という言葉がネット上で大流行を見せています。
ことの発端は同日に放送されたNHKの番組『おはよう日本』の中で資生堂が目下取り組む育児支援制度の大幅な方針転換を特集したからです。

同番組内では「”資生堂ショック”改革のねらいとは」と題して同社が推進する業務改革を特集しました。

その改革の中身と資生堂ショックという言葉があまりにも強烈なインパクトを視聴者に与えたため、これほどまでの一大センセーションを巻き起こしているというわけです。

果たして『資生堂ショック』とは一体何なのでしょうか・・・

今回は世間を騒がす資生堂ショックについて調べてみました！

資生堂ショックとは？意味を簡単に説明すると

資生堂といえば、女性が働きやすい会社というブランドをいち早く築いてきた企業です。

今でこそ女性の社会進出が声高に叫ばれており、男女の格差が問題視されています。
しかし、資生堂はそれらの問題が表面化する20年以上も前から「育児休業」や「短時間勤務制度」を導入するなどいち早く格差是正に乗り出した企業です。

ところが、今回NHKで特集された『資生堂ショック』はこれまでの”女性に優しい政策”とは真っ向から対立するものだったのです。

資生堂ショックのポイントは「子育てをしている社員としていない社員との格差をなくす」ことです。
具体的には以下の改革案が挙げられます。

・育児中の社員にも土日勤務を促す

・育児中の社員にも同じ接客ノルマを課す

同社が推し進めてきた育児支援制度ですが、この恩恵を最大限に受けてきたのは言うまでもなく育児中の社員、通称”美容部員”と呼ばれる女性たちです。

美容部員は全国に1万人以上いると言われており、主に百貨店などの化粧品売り場を任されています。
同社の勤務形態はシフト制を採用しており、次のような「早番」と「遅番」に分かれています。

早番：10:00～18:45

遅番：11:15～20:00

これが一般的な勤務体系ですが、育児中の女性社員は早番の勤務時間を最大2時間まで短縮でき、現在は約1100人が利用しているとのこと。
一例を挙げると、12:00～18:45や10:00～16:45といった具合です。

これも育児中の女性を思いやっての取り組みでしたが、これに反発したのが子供を持たない美容部員でした。

男女の格差を是正するために取り組み始めた育児支援制度ですが、今度は子を持つ者と持たない者との間の”格差”を浮き彫りにしてしまったのです。
というのも、かねてより現場からは悲痛の声が上がっていたからです。

このことについて執行役員常務の関根近子氏は次のように語っています。

そしてこれが今回の『資生堂ショック』と呼ばれる業務改革を断行した理由でもあるのです。

つまり、子供を持つ社員が育児に専念するあまり、繁盛記やかきいれ時に不在になることで業績悪化の一因となっていると指摘しているのです。
事実、同社の国内売り上げは2006～2014年の間におよそ1000億円も下がっています。

また、子供を持たない社員が遅番や土日を肩代わりした結果、公平さを欠くこととなり、「プライベートがない」という声が上がっていたのです。

こうした背景もあり、今回世間で騒がれている『資生堂ショック』に踏み切ったというわけです。

資生堂ショックの問題点

今回の報道を受けて瞬く間に拡散した資生堂ショックですが、これを受けて同社には批判が殺到する事態となりました。

番組自体は見てなかったんだけど、資生堂ショックとやらの内容把握。育休や時短してない社員に皺寄せいくのは必要な手当てや人員を用意してないからじゃん。それ棚上げして甘えだなんだ言うとかマタハラもいいとこだよな。長年愛用してるのあるけど資生堂の商品買うの考えよう。

— みそら (@misoran)

件の資生堂ショック、いわゆる「全員で苦しもう」の典型的な形だよな。「全員で楽できるようにしよう」にしないのはなんで？

— キヒコOnTheFuryRoad (@queehco)

不公平だって言ってる社員はなに？変な嫉妬してる女？出産できない男？どっちでもいいけど、母が自分を産んでくれた時に会社から鞭打たれて"育休は甘え"ってDVD送付されたらどんな気分になるか想像もできないの？自分と自分の周りだけは別問題とか思ってるんだったら死ねばいいよ#資生堂ショック

— めうふぃ (@meuliber)

このような批判が噴出した理由には関根近子氏の次のような発言が根底にありました。

これは今回の育児支援制度改革に当たって育児中の社員に向けて送付されたDVDの中での発言です。
関根氏はVTRの中で「育児休暇を取ることは時代の流れ」と前置きして上でこのように述べました。

育児中の社員の状況に配慮しつつも結果的には「甘えをなくせ」という意味が込められています。
今回の改革について2015年8月3日号の『AERA』も次のように報じています。

世間に大きな波紋を呼んだ資生堂ショックですが、その問題点はまさにここにあると指摘されています。
それは先ほどご紹介した否定派の意見の中に如実に現れています。

番組自体は見てなかったんだけど、資生堂ショックとやらの内容把握。育休や時短してない社員に皺寄せいくのは必要な手当てや人員を用意してないからじゃん。それ棚上げして甘えだなんだ言うとかマタハラもいいとこだよな。長年愛用してるのあるけど資生堂の商品買うの考えよう。

— みそら (@misoran)

この中で言われている通り、育児中の社員の欠勤や早退によって他者へ負担がかかってしまうのは”企業”の体制の問題であって”個人”の問題ではありません。

また、今回の改革に踏み切った理由として子供を持つ者と持たない者との不公平さを解消する狙いもありました。
しかし、此度の業務改革で本当に不公平さは是正されるのでしょうか？

確かに全員同じ勤務体系にすれば外見上の平等さは取り繕えます。
しかしながら、その実態は育児中の女性が一方的に負担を強いられるという構図です。

つまり、どちらか一方がしわ寄せを喰らうという問題は依然として残ったままになります。

例えるなら、一方に振り切れていた振り子がその反動でもう一方に振り切れた状態です。

これでは平等とは言えません。
本当の平等を求めるのならば、振り子が真下に来て静止している状態が望ましいのではないでしょうか？

子供を持つ者と持たない者。
両者とも置かれている状況が根本からして違います。

もともと違う両者の平均を取ろうとする考えが間違っているのではないかと個人的には思います。
重要なことは両者を平等に扱うことではなく、両者が平等に働ける環境を作りだすことです。

まず目指すべきは社員が相互に助け合える”システム”であって個々人の”パフォーマンス”向上ではないはずです。

問題の根本が見極められていないのならば、いくら声高に抜本的改革を叫んでも徒労に終わってしまうのではないでしょうか。

世間の反応は？

NHKおはよう日本 「資生堂ショック」改革の狙いとは |

これ、たまたま大丈夫だった人紹介してるだけ。家族の協力が得られない人は切り捨てるの？子育てしやすさにひかれて入社した人たちが気の毒だ(続

— rio saenishi (@saenishi)

資生堂ショックてのをTLでよく見るから調べたら納得いかない内容だった。
ノルマに追われながら子育てした事ない人間が考えたんだね。
子育てしながらノルマノルマってどんだけ精神的に追い詰められるか知らないでしょうね。
僕はハゲができ、毎日毎日イライラして子供に八つ当たりしてしまった

— SHELTは低浮上気味 (@shelt_3993)

資生堂やってもうたなー。こういう事はお互い様。順番。たとえ結婚出産せず一生フルタイムでバリバリ働くつもりでも、自身の体調不良や親の介護で通常勤務能になる事だってある。「社内の不公平」なんて、制度を整え柔軟に運用する気のない会社の言い訳だな。

— えっすん (@essunn)

資生堂ショックかぁー
うーーーん。まだ働いてない立場だけど。子育てしてる人にノルマあるのっておかしいことなのかなー？だって会社だってボランティアじゃないんだし。雇ってもらえてる以上会社に利益の還元するのって当たり前で。それを数値化するためにノルマっておかしいのかなー
難しい話だ

— たかこ (@taka5taka5)

資生堂ショックって話題になってるけど、細かい内状を知らないのに、不買だとか当然だとか、安易に判断するべきじゃないと思う。社員同士の中で不公平感が生まれて、それが摩擦を生んだ、とあったけど。男性を投入できるならそれで補充になるけど、化粧品はねぇ。あ、おネエマンを採用したら？

— ルナ (@lunacchii)

時短は仕方ないとして、土日祝休みたいなら、転職すれば良い。あの職種は残業無しとか難しいと思う。接客中のお客様放置して退勤するのか？

— 毒林檎 (@dokuringo1234)

世間ではこうした挙がっているようです。