【解凍失敗or成功?】アルコー延命財団で冷凍保存(コールドスリープ)のメイタリンとは?

こんにちは。NALです！

今回はメイタリンちゃんを取り上げます。

彼女はタイで暮らすある一家の下に生まれました。

しかし、メイタリンちゃんはわずか2歳という若さでこの世を去ってしまいました。

原因は100万人に1人が罹患するという難病です。

遺された家族は彼女の死を受け入れられずにある決断を下しました。

それが冷凍保存（コールドスリープ）です。

家族はメイタリンちゃんの身体をアメリカのアリゾナ州にある｢アルコー延命財団｣に預けます。

将来の技術が飛躍的に進歩することでいつの日か再びメイタリンちゃんが息を吹き返す可能性に家族は賭けたのです。

その様子が2016年3月20日に放送される｢世界・ベスト・オブ・映像ショー｣の中で明らかになります。

果たして冷凍保存（コールドスリープ）とはどのような技術なのでしょうか？

また、実際に人間を蘇生させることは出来るのでしょうか？

今回はアルコー延命財団で冷凍保存されているメイタリンちゃんについて調べてみました！

メイタリンちゃんを襲った難病｢原始神経外胚葉性腫瘍｣とは？

わずか2歳でこの世を去ったメイタリンちゃんを襲った病魔の名前は｢原始神経外胚葉性腫瘍｣と言います。

冒頭でもご紹介した通り、この病気は100万人に1人が発症するという極めて珍しい病気です。

果たして原始神経外胚葉性腫瘍とはどのような病気なのでしょうか？

この病気の関する記述がWebサイト｢脳神経外科 澤村豊のホームページ｣に掲載されていましたので以下に引用させて頂きます。
（※一部抜粋）

同HPでも述べられている通り、原始神経外胚葉性腫瘍は低年齢の子供に好発する病気です。

さらに症状の進行が非常に早いことに加え、根本的な治療法が確立されていません。

また、予後も絶望的であり、5年を超える生存率はわずか40%しかありません。

メイタリンちゃんがこの病気を発症してから辛い闘病生活が始まりました。

彼女は合計12回にも及ぶ脳外科手術を受けました。

それに加え、化学療法や放射線治療なども20回以上受けているのです。

そんな過酷な闘病生活にも耐えてきた彼女ですが、最終的には２歳という若さで天国へと旅立つことになりました。

現在の技術ではコールドスリープからの解凍は失敗する

コールドスリープといえば、主にSF作品なで見かける用語ではないでしょうか？

コールドスリープとは、宇宙船での惑星を移動する際に用いられる手法です。

人体を低温状態にすることで目的地に到着するまでの間に搭乗員の老化を防ぐことがその目的です。

一般的なコールドスリープには次の3種類があると言われています。

●睡眠後に時々覚醒するタイプ

●冬眠タイプ

●冷凍タイプ

｢冬眠｣と｢冷凍｣の違いを簡単に説明すれば、前者が生きている人間に使われる手法であるのに対し、後者は既に亡くなっている人間を対象としています。

つまり、メイタリンちゃんの場合は後者の｢冷凍タイプ｣が使われているということになります。

タイプの違いこそあれど、最も問題なのは｢コールドスリープからの蘇生は実現できるのか？｣ということです。

結論から申し上げると、2016年現在の技術では｢保存はできるが、蘇生はできない｣というのが現状のようです。

蘇生を阻害する要因が人間の細胞にあります。

人間の約80%は水分でできているため、冷凍保存した場合、体積が増えることになります。

つまり、体積が増えることによってもともとの細胞が破壊されてしまうのです。

こうして一度破壊された細胞を復元する技術が2016年現在にはまだ存在していません。

そのため、現在の技術では｢保存はできるが、蘇生はできない｣という結論に帰結するというわけです。

ただ、現在において実用化されているコールドスリープが存在します。

それがスペースワークス・エンタープライジズ社の「ボディ・クーリングシステム」と呼ばれる技術です。

この方法で人間をコールドスリープの状態にさせる手順は次の通りです。

（１）鼻腔から冷気を注入する

（２）注入された冷気が脳や全身に行き渡る

（３）最終的に冬眠状態となる

この技術は既に救急医療の分野で実用化されており、人体に対して使用された例も報告されています。

ただし、その際にコールドスリープ状態を保てたのは1週間が限界だったようです。