【中国ドラマに革命】”悪の日本兵”で有名な矢野浩二をWiki風に!『黒蜥蜴』にも出演

こんにちは。NALです！

今回は俳優の矢野浩二さんを取り上げます。

“矢野浩二”という名前を聞いて一体どれだけの方がその存在を知っているでしょうか？

彼が芸能活動をスタートさせたのは19歳の時。
その後、俳優活動に専念することになりますが、それが2000年の頃。

2016年1月現在、彼は45歳。

つまり、芸能歴でいえば、彼のキャリアは26年。
俳優歴に関しては16年ということになります。

芸歴26年、俳優歴16年という長寿を誇る彼ですが、なぜこれほどまでに認知されていないのでしょうか？

実は彼の活動拠点は日本ではなく、中国なのです。
彼が出演する作品のほとんどは中国で制作されたものであり、日本制作の作品はごくわずか。

このような理由により、日本における彼の知名度は無きに等しいのです。

しかし、それは裏を返せば、中国では圧倒的なまでの知名度を誇っているということ。

2007年に『世界が尊敬する日本人100人』のひとりに選出されたことを皮切りに彼の知名度・人気は瞬く間に中国全土に拡がりを見せました。

また、彼の人気を端的に示す例として中国における人気タレント調査が挙げられます。
なんと彼は2013年、2014年度ともに2年連続堂々1位に輝いているのです。

この調査結果は彼の絶大な人気を改めて中国国内に誇示するものとなりました。

中国では絶大な人気を誇る彼ですが、そもそもの疑問として一体何が彼の人気に火をつけたのでしょうか？

それは彼が中国ドラマ界で革命を起こした人物だったからなのです。
果たして彼が起こした革命とは一体・・・

今回は中国で絶大な人気を誇る日本人俳優、矢野浩二さんについて調べてみました！

矢野浩二の経歴をWiki風に！

まずは、彼の経歴を簡単にご紹介致します。

冒頭でも触れた通り、彼は19歳から芸能活動をスタートさせています。

しかし、芸能界に足を踏み入れる前は彼の地元でもある大阪でバーテンダーとして勤務していました。
当時、彼は高校を卒業したばかりでした。

バーテンダーとして働く彼にある転機が訪れます。
それが常連客の何気ない一言でした。

｢こんなところで何やってるんだよ。
東京に出て役者になれ。｣

酒も入っていた客の言うことなど多方の人間は軽く聞き流すのではないでしょうか？

しかし、彼は違ったのです。
常連客からの言葉を真に受けた彼は上京することを決心し、俳優養成所に通い始めます。

こうして俳優への第一歩を踏み出した彼に運命的な出会いが訪れました。

それが現千葉県知事でもある森田健作氏との出会いです。

森田氏との出会いについて、彼は一目見た瞬間に｢この人だ！｣と悟ったと言います。

その後、彼は森田氏に弟子入りし、俳優としての修行を積むことになったのです。

しかし、ことは順風満帆にはいきませんでした。
世間の多くが知る通り、森田氏は参院選に出馬し、芸能界の第一線を退いてしまうのです。

その後、彼は森田氏の元に約8年間、付き人として運転手や秘書を務めました。

彼はこうした状況に焦りを覚えるようになっていきます。
そんな彼を見かねた当時の所属事務所『サンミュージック』の副社長が一本のドラマ出演の話を持ちかけます。

ドラマの名前は『永遠の恋人』。
これは中国で制作されたトレンディドラマでした。

この作品との出会いが彼の運命を大きく変えていくこととになるのです。

中国ドラマへの出演と苦悩

このオファーを受けた彼は撮影のため、2000年に中国へと渡ります。
同ドラマでは5人いる主役のひとりを演じた彼でしたが、その結果は惨憺たるものでした。

彼が俳優として本格的に名乗りを上げるきっかけとなったドラマ『永遠の恋人』はほとんど視聴率が取れなかったのです。

厳しい現実に打ちのめされた彼は俳優への道を一度諦めかけます。
しかし、それでも彼は役者として活動する夢を放棄することはしませんでした。

ドラマの撮影を終えた彼は日本に一度帰国。
その後、再び中国へと渡り、中国語を猛勉強の末に習得。

言葉の壁を超えたことでますます彼の演技に磨きがかかることになりました。

地道に中国での俳優活動を続ける中、彼の名を一躍有名にする作品と出会います。
それが2003年に放映されたドラマ『記憶の証明』でした。

このドラマへの出演が話題となり、若者を中心に中国国内でも頻繁に取り沙汰されるようになったのです。

こうして彼は中国での名声を得ていくことになります。
しかし、人気と比例するかのように彼の葛藤も日に日に大きくなっていったのです。

極悪非道の日本兵役が彼を悩ませた

2003年放映のドラマ『記憶の証明』がブレイクのきっかけとなった彼ですが、それは同時に悩みの種でもありました。

なぜならば、このドラマは”抗日”をテーマに作られていたからです。

これ以降、彼の元には極悪非道の日本兵や明治天皇といった役が多く舞い込むことになります。
しかし、そのどれもが”抗日”のテーマで描かれており、彼は不本意ながらも悪役として名を馳せたのです。

ひとりの日本人として”悪の日本兵”を演じることに大きな抵抗があったと彼は語っています。

俳優として大成していく中、それと逆行するように募る役柄への疑問。
彼は大きな葛藤に悩まれる日々を送っていました。

当時の心境について2010年1月に配信された『人民中国』の中で彼は次のように語っています。

この中でも述べられているように彼にとって葛藤のピークは2006年の時でした。

大きな葛藤に苛まれた彼は『太刀』の監督からある助言を受けます。

｢鬼子を演じるのはもうやめなさい｣

この”鬼子”とは、旧日本軍を指す蔑称のこと。
つまり、監督は彼のアイデンティティでもあった”極悪非道の日本兵”をやめるように提案したのです。

この助言を聞き入れた彼はそうしたオファーを断るようになります。
しかし、それが原因で彼の元にはほとんど仕事が舞い込まなくなってしまいます。

ただ、それでも彼は活動を辞めることはしませんでした。
ドラマの仕事がなくなった彼でしたが、なんと彼はそれまでのイメージとは打って変わってバラエティ番組に出演するようになったのです。

一見すると、俳優とは対極の位置にあるバラエティですが、この時の判断が彼の俳優としてキャリアを大きく押し上げる結果となるのです。

バラエティ進出でイメージ転換！中国ドラマに革命をもたらす

2006年、バラエティ番組に出演するようになったことで彼のイメージは劇的に変化しました。
特に彼のイメージを根底から覆すきっかけとなったのが『天天向上』でした。

2008年、同番組のメインMCに抜擢された彼はそれまでの｢冷徹｣や｢非道｣といったイメージを払拭。
関西特有のノリの良さと流暢な中国語によって彼の人気は不動のものとなりました。

中国全土で大きな注目を集めた彼の元には再びドラマのオファーが舞い込むようになります。

しかし、彼は以前のように監督の要求通りの演技はしませんでした。
日本を悪とするステレオタイプな役に強い抵抗感を抱いていた彼は、自分の本音を監督にぶつけていったのです。

｢自分の意見を出し、いかに演じる役に人間らしさを感じさせることができるか｣

彼は常にそのことを念頭において演技の臨んだのです。
こうした彼の試みは世間の心を大きく動かしました。

これまで中国のドラマ界では常識だった｢極悪非道の日本兵｣とは一味違った人間味のある演技が多くの人間の心を捉えたのです。

このことについて先に挙げた『人民中国』は次のように報じています。

彼が中国本土で圧倒的なまでの人気を誇る理由は、人間味のある日本人役を演じたことで中国ドラマ界に大きな革命をもたらしたからというわけです。

日本ドラマ『黒蜥蜴』に出演

前項でも述べた通り、彼の中国での人気の理由はお分かり頂けたと思います。

中国を中心に活動する彼ですが、実は日本の作品にも出演しています。
近年の例でいえば、2015年12月22日に放映されたドラマ『黒蜥蜴』に出演されています。

推理小説の巨匠、江戸川乱歩によって生み出された同作品は現代でも根強い人気を誇り、これまでに幾度となくリメイクされてきました。

今回のドラマで主演を務めたのは女優の真矢ミキさん。
真矢さん扮する怪盗『黒蜥蜴』と渡部篤郎さん扮する不朽の名探偵『明智小五郎』の2人が織り成す冒険活劇。

豪華キャストが名を連ねる中、彼が演じたのは磯沼という刑事でした。
決して主要キャストとは言えない役柄でありがながらも、彼の好演には目を引かれるものがありました。

恐らく、このドラマが放映された時点で彼の存在を知る者はほとんどいなかったことでしょう。

日本では無名な俳優として認知されている彼ですが、それでも視聴者の注意を引くほどにその演技には強い説得力がありました。

彼が日本での名声を得る日はそう遠くないでしょう。